2008年2月1日金曜日

辻井伸行デビュー

辻井伸行君サントリーホールに行ってきました。盲目の天才ピアノ少年としてテレビにも何度か登場していた辻井伸行君のピアノ・リサイタル。そんな彼ももう19歳。生で聴くのは、もちろん初めてです。

チラシには指揮者の佐渡裕さんの紹介文が寄せられています。これを読んだら期待せずにはいられないでしょう。引用します。

彼が僕の楽屋を初めて訪れたときのことを思い出す。初対面の僕の突然のリクエストに、彼は恥ずかしそうにうつむき加減で、ピアノの前に座った。でも、一旦鍵盤に指が触れると、彼の身体に音楽の神様が舞い降りた瞬間を見るようだった。ピアノを弾く姿が、あまりにも美しく、美しい音が僕の心に染み込んで、感動した僕は涙を抑えることが出来ず号泣してしまった。

さぁどうだったか!?

��プログラム>
ショパン
幻想曲 ヘ短調 op.49
子守歌 変ニ長調 op.57
舟歌 嬰ヘ長調 op.60
スケルツォ第2番 変ロ短調 op.31

ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 op.27-2 「月光」
ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 op.57 「熱情」

アンコール
辻井伸行:川のささやき
辻井伸行:ロックフェラーの天使の羽
ショパン:前奏曲 ニ短調 op.28-24

曲が始まって1秒で感動する、なんて経験ありますか? なーんて、このブログではいつも必要以上に大げさに「感動だ!感動だ!」なんて言っている僕なので、あんまり説得力がないかも知れませんが(SKN←そんなの関係にゃい)。

曲が始まってすぐに心動かされる、その曲を全く初めて聴くのに。それはショパンでもベートーベンでもなく、自作のアンコール曲ででした。もちろんCDもその場で購入しましたよ。2枚組。こちらデス。今から聴きこみます。

辻井伸行君
辻井伸之「debut」


ショパンも良かったですよ。実はすべてが初めて聴く曲。持っているCDには絶妙に入っていないものばかり。1曲目の幻想曲の天真爛漫さや3曲目の舟歌の美しさはまさに「聴いたことない感じ」でした。ベートーベンも「熱情」はイマイチ盛り上がりにかけたものの、「月光」はもうこれは凄まじいものでした。鳥肌が立つっていうか。僕がよく聞くバックハウスさんの演奏とはもうじぇんじぇん違う。

辻井伸行君の演奏の何がすごいのか、違うのか。あくまで無責任に、演奏を聴きながら僕の頭に浮かんだイメージは…

・ピアノの音が図形的。音が増えれば増えるほど丸に近い多角形になるイメージ。
・もしかしたら僕らには感覚的にしか捕らえられていない、そんな↑音の図形イメージが、彼には「見えて」いるのかも知れない。
・ベートーベンさんの顔も見たことないわけで、もしかしたら僕らの感覚よりもずっと「同時代的な」とらまえ方をしてるのではないか?と思うくらい、極めて自然、そして「自分のものになってる」演奏だった。

うーん、言葉にできない。

驚異的なのが「ミスがほぼゼロ」ってこと。若手の勢いあるピアニストさんの演奏って、みずみずしさがある反面、盛り上がりに比例してミスって言うか弾き間違い(横の鍵盤に指がかかったりとか)が増えるものだと思うのですが、彼はどんなに盛り上がろうが速くなろうが、全く間違えない。この間違えなさは今までみたピアニストの中ではダントツです。我々は目で見て「白と黒の鍵盤が88個」と認識しているものを、もしかしたら彼は全然違う感じで認識してるのかも知れません。歌うように滑らか。

自分の体験や経験値、気持ち、そんな自分自身を音に置き換えられるのは、天からの才能を与えられた一部の人々に限られる、よなぁ。

・・・

今日のお席はA席。でもほぼホール最後列。音はきれいに聞こえるけど、もっと表情が見たい!ってことで休憩後は空きが目立っていたホール右側奥(ほぼ演奏者の真正面)に勝手に移動。ピアノの音が若干二重に聞こえぎみだったのですが、やっぱり反響音よりも直接音の方が僕は好きですね。「近く至上主義」になりつつあります。

休憩中はまたまた赤ワインをたしなんでみたり。2階からロビーを見てみると、ピアニストの横山幸雄がいるじゃん。現在のトップ・オブ・日本人ピアニスト、ということに異論を挟む人はそんなにいないんじゃないかと。辻井君は大学で彼に師事しているそう。それから生島ヒロシさんも発見。髪の毛真っ黒だったから染めたばっかだったのかな?他にも後半の席のすぐ後ろにいた、やたら業界に詳しいおじいさんの話によると(奥さんと話してるのを盗み聴き)、音楽関係者、音楽雑誌関係者がたくさんいたらしいです。ちなみにそのおじいさん、「月光」終了後、「横山が教えるとああなっちゃうんだよな」と言ってました。ホントか!?

終演後CDを買ったので握手会に参加してきました。テレビもまわってたから、いつか映るかも!?なんて下らない考えは別にして。やっぱり人間に興味を持つことが、音楽により興味を持つことにつながりますからね。やっぱり手は大きかった。

それから勢いで本も購入。お母さん著。ショパン国際コンクールへの挑戦をメインに、少年時代から今に至るまでの日記ドキュメンタリー。まだ読んでる途中ですが、買って大正解。今晩中に読みきる勢い。冒頭の佐渡さんの話も載ってます。

辻井伸行君
のぶカンタービレ! 全盲で生まれた息子・伸行がプロのピアニストになるまで(著:辻井いつ子)


ふー…。興奮さめやらぬ感じで書いてきましたが、全然よくわからん。なので是非ご自分で検索したりしてみてください。

日曜日はみなとみらいホールに、横山幸雄のラフマニノフほかを聞きにいってきます。

豊かな人生って何だろう…orz

1 件のコメント :

  1. 今日偶然に この演奏を聴きましたが本当に素晴らしくて ただただ聞き入ってしまいました。会場に行かれた方々が羨ましく思いました。私もお母様の書かれた本是非求めたいと思います。今日の偶然に感謝!

    返信削除