マイナンバー、代替文字情報の謎(後編)

こちらからの続きです。

カモノハシ通信3: マイナンバー、代替文字情報の謎(前編)

そもそも子供の名前に使える漢字には制限があります。たまに使える漢字が増えたり減ったりしてニュースになってますよね。(2015年1月には「巫」の字が人名漢字に追加されてニュースになっていました。)

その限られた文字の中に

・士(シ)バージョンの樹
・土(ツチ)バージョンの樹

の両方の漢字が含まれているのでしょうか?答えはNOです。

法務省のページで「子供の名前に使える字」が検索できますが、結果はこちら。


(左端の謎の文字は置いておいて(^_^;))「樹木の樹」的には
・士(シ)バージョンの樹
のみが、名前の漢字として使えるということのようです。

つまり出生届に
・土(ツチ)バージョンの樹
を書いていたとしても、普通はまず自動的に
・士(シ)バージョンの樹
として登録されているはずです。

この2種類の漢字が存在していて、そのことを気を利かせて忠告してくれるようなスーパーな受付の方はまず存在しないでしょう。休日窓口なんかだと警備のおじさんしかいなかったりしますしね(^_^;)。

驚愕の住民票


と、思って住民票を改めて見てみて驚愕の事実を知ることになります。

こちら住民票コード通知票なのですが
ん??微妙…

どちらかというと
・土(ツチ)バージョンの樹
のように見えます。

実は住民票に使われている漢字はなんとまさに
・土(ツチ)バージョンの樹
なのです!

現在の住民票に使われている漢字には住民基本台帳ネットワーク統一文字」という文字セットが使われているそうです。悪名高い「住基ネット」を作る際、

もろもろ様々なバージョンの漢字はとにかく一切合切使えるようにしてしまえ〜!

という発想のもと、とにかく多種多様な漢字を登録しまくったのが「住民基本台帳ネットワーク統一文字」。「富士通のホスト・コンピュータで使われている文字も日立のホスト・コンピュータで使われている文字も、面倒だから全部入れたれ〜!」てな、ものすごいことをやっています。「家」だけで4種類あるらしいという情報を見ましたが、残念ながらこの文字体系の全体像は公開されていないため確認しようがありません。

当然樹木の樹についても士(シ)バージョン、土(ツチ)バージョン、両方ともそろっているハズ。

「???。だったら戸籍上の「士(シ)バージョン」に合わせろよ!」

と思いますよね?ですがなぜかほとんどの樹の付く名前の方は「土(ツチ)バージョン」の方に「名寄せ」されてしまっているのが現状のようです。この理由はいろいろ調べてみたものの分かりませんでした。おそらくは「適当にやっちまった」からではないかと推察しますがノー根拠なので信用しないでください。

そりゃ年金問題が発生するはずです…。(年金問題に端を発して作った住基ネットがコレなんですから…。)


そしてマイナンバー


この経緯で言うとマイナンバーで使われる漢字も「住民基本台帳ネットワーク統一文字」だろうと思いますよね、普通。

ところが違うんです(^_^;)

住基ネットで反省したのかしないのか、今度は「基本ユニコードだけで行こう」という発想となったようです。「ユニコード」というのは簡単に言うと世界標準の文字コード。世界中のあらゆる文字が、ある決まりに則ったコード体系で表現されます。

そこに載っていない漢字がどうしても必要となる場合は「外字」として別枠で管理しよう、ということになっています。

では樹木の樹はマイナンバー上どちらで登録されているかというと

・士(シ)バージョンの樹

となっています。

ようやく結論(^_^;)


つまり「代替文字情報」とは

・マイナンバー管理上は「士(シ)バージョン」だけど

・住民票では「土(ツチ)バージョン」で記載されてたりもしますが、それもアリなんで、そこんとこよろしく

という親切心あふれる(^_^;)注釈ということのようです。(結局どこにも説明がないから推測の域を出ません。)

結局のところ、気にしなくてよい(気にしたところでどうしようもない)ってことですね(^_^;)。

だけど私は期待しています


そんなマイナンバー。いまだ賛否両論あって両者の言い分もわかりますが、私は期待しています。

名前の漢字ひとつとっても上記の様な問題が現実としてある以上、こうなったら番号で国民を管理するしか方法がないと考えます。「名前」では年金問題の時のような名寄せ問題を克服することは不可能です。

さらに課税の公平性という観点でも有意義。公平な課税を実現するのに反対する理由はありません。一説によるとマイナンバーによって全ての課税逃れに対処できたなら、税収入のアップ幅は年間国債発行額の50%近くにまでのぼるらしいとのこと。国の借金の原因の半分は不正な課税逃れによるものと言うこともできます。現在のように税務署さんが地道に調査するやり方では限界もあるし不公平もあるのは明白でしょう。

どうかマイナンバーは住基ネットみたいにならずに着実に進歩していってほしいものです。

とりあえずあのスマホ自撮りでOKなマイナンバーカードの申し込み、アレやめたほうがよくないですか?(絶対に問題噴出して余計なコストがかかりまくるような気がするのですが…)。ではまた!

こちら参考にさせていただきました。
もじもじカフェ 戸籍と住基とマイナンバーの文字コード - ちくちく日記
浪漫飛行さんの投稿(ブログ/つぶやき)シニアSNS『Slownet』で趣味のサークル、ブログで仲間探し






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