久しぶりに小説の話題を。村上龍さんは僕が好きな作家の一人です。
最近はテレビ番組「カンブリア宮殿」に出て司会として「普通っぽい人」を演じてますが、あれはなかなか面白いですね。素人っぽい素朴で分かりやすい質問をゲストにぶつけています。
たいした実力も知識も無い人ならば、ついつい早口で難しい言葉を使ったりしがちだと思います。でも村上龍さんは常に分かりやすい平易な日本語を使います。彼の小説を読むなりして少しなりとも彼のすごさを知っている人からすれば、あれはかなりのインパクトです。つまり小説等から連想される村上龍のキヤラクターと全然違うっていうこと。やさしい言葉を使い、とぼけた姿を見せながら、ある意味でゲストを試しているように僕には感じられます。
僕がオススメする村上龍さんの小説は、例えばこんな感じです。
「コインロッカー・ベイビーズ」
→「愛と幻想のファシズム」
→「半島を出よ」
他にも面白い小説はたくさんあるのですが、3つ挙げるならこうなります。
そんなわけでまずは「コインロッカー・ベイビーズ」の感想を簡単に。
これは村上龍さん3作目の小説にして、初のストーリーある長編小説です。生まれてすぐコインロッカーに捨てられた子供、キクとハシの物語。
僕が今まで読んだ小説の中で、最も物理的にパワーのある小説です。初めて読んだのは大学1年生のときでしたが、「たかが物語」がこんなにもパワーを持つものだとはそれまで知りませんでした。みぞおちを殴られ、嘔吐しそうになった。
これまで何回も読み返し、また先日も読み返してみたのですが「まだこの小説の世界は続いている」そんな風に思いました。この小説の世界観はかなり悲惨なものですが、意外や僕は好きです。
極めて無責任なことを書くと、松本大洋さんの漫画「鉄コン筋クリート」って少なからずこの小説の影響を受けてますよね?きっと。僕はその漫画も結構好きなんです。きっと「コインロッカー・ベイビーズ」を映像化したらこんな風になるんじゃないかなって思います。極めて無責任ですが。
今思い出したけど、僕が「オムライスが好き」と言うのはこの小説に影響されてるかも知れません。
村上龍さんの小説を全然読んだこと無い人は試しにどうぞ。
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