インバル都響マーラー9番

※先に書いときますが、実質的な感想はほんの少しだけで、あとは思い出話となります(^_^;)。

ハーマイオニーさん(奥様=魔女)の妊娠・出産のため2013年3月をもって都響の定期会員は辞しておりますが、それでも「このコンサートだけは何としても聴きににいかねば!」ということで、その1年前のタイミングから予約してチケットをゲットしておいたのが昨日の公演。マーラー9番。エリアフ・インバルさんの都響プリンシパル・コンダクターとしての最後の定期であり、2年にわたって続けられてきた新・マーラーチクルスの最終回であります。



思えば僕とハーマイオニーさんが都響の定期会員として初めて聴いたのがインバルさんのプリンシパル・コンダクターお披露目公演であるマーラー8番「千人交響曲」でした。忘れもしません2008年4月30日です。

(以前にもブログに書きましたが)その日、偶然、1年ぶりに出会ったハーマイオニーさんと僕。定期会員としておさえていた座席はなんと隣どうしの3列目13番と14番。こんな偶然ってあります(^_^;)?これをきっかけに僕たちは結婚して今にいたります。先日息子ちゃんも生まれました。

カモノハシ通信3: 明日は最後の都響定期・結婚のきっかけ

インバルさんと僕。2010年懇親会で。ハーマイオニーさんはNG出ました…

マーラー・チクルス


もともとマーラーという作曲家の作品に馴染みのなかったクラシック初心者の僕なので、最初のうちは「なんかゴチャゴチャしてよく分からん」てな感じであまり「大好き!」にはなれなかったマーラー作品。ですがあれは2009年だったか、インバルさんのマーラー4番を聴いて「なんかいいな」と思い、そして翌2010年のマーラー3番を聴いて衝撃を受けました。「すごい!すごい!これはすごいー!」。この時のインバル都響のマーラー3番はライブ録音でCD化されており、僕はこれを何度も聞き込みました。第1楽章だけで30分以上あるのですが(なんと全曲通じての演奏時間は100分!)、かなりの部分を覚えましたもの。スポーツクラブの「歩くプール」で歩きながら妻と一緒に口ずさんでいました。変な夫婦ですね(^_^;)。

この2010年の演奏・CDも素晴らしかったのですが、その後2012年に再度「新・マーラーチクルス」として再演されたときの3番は、それはもう、本当に素晴らしかった!!特に第3楽章のポスト・ホルンの音色は今でも耳に残っているくらいです。今知ったのですが、2012年時のライブCDが去年発売されていました!これは買わないと!

今思えばあの3番のときにこそ「人生初のスタンディング・オベーション」をやればよかったなと(^_^;)。心から震えて、感動したのに。もちろんブラボーは叫びましたよ…。あれはチャンスだった…。(昨日の9番は最後静かに終わるので、演奏直後にそういう雰囲気にはならないのです。)

結局「新・マーラーチクルス」で聴いたのは2013年3月の5番まで。その後の6番7番8番は残念ながら聞くことができませんでした。

毎回撮影してきたインバルパネルのコンプリートはなりませんでした…。

全然フィットしていない…

何回やっても自然な感じにならない…

これ以外にも写真はありますよ。コンプリートした人はいるのだろうか…。

ちなみに先に言うと昨日の演奏会でもこのパネルは置いてあったのですが痛恨の撮影し忘れ!しまったー。(もしそこまでコンプリートしていたなら、都響に電話して後日どうにか撮影させてもらっていたことでしょうが(^_^;))

そしてマーラー9番


生まれて半年の息子を母に預け1年ぶりのサントリーホールへ。マーラーのときは特に男子トイレが混むのですが、それはいつもと同じでした(^_^;)。

なんと僕が大好きなコンサートマスターの矢部さんが急病のため欠場。コンサートマスターは(こちらも大好きな)山本友重さんが急遽?つとめられました。

山本さんと僕。同じく2010年懇親会で。

素人なりに感想を書きます。

素晴らしかった!

ドーン!素人らしい感想です。なんと言っても昨日の演奏会は「特別」だったのですよ。まずお客さんの雰囲気からして違いました。というかお客さんが昨日は本当に素晴らしかった。

第1楽章演奏開始時のあの息を飲むような静寂。あれは意外となかなかありませんよ。全編を通じて客席にも独特の緊張感があったように思います。

そして誰もが感動したと思うのですが、最後の最後の最後のアレ。マーラー9番というのは最後「死に絶えるように」静かに静かに終わります。鈴木さんのヴィオラの音が消え、余韻が消えても、インバルさんはまだ指揮棒を下ろしません。あんなインバルさんを見たのは初めてでした。音が消え、余韻が消え、空気が下へと沈んでいくような感覚。その間、客席にいる2,000人は文字通り息を止めてインバルさんを見つめていました。あれは客席まで含めての真の芸術であったと思います。

僕は最後の瞬間ずっと腕を組んでいたのですが、拍手の用意のために腕を外すことすらはばかられる、そんな雰囲気でした。

タクトが降ろされたあとは温かい拍手。その後、渦のような大きな拍手に。たくさんのブラボーが飛んでいました。

僕的にはやはり第4楽章ですね。「大地の歌」からの引用だと勝手に思っているのですが、途中ハープが「ティントンティントンティントン…」って2音を続けて奏でるところ、あそこからが僕は特に好きです。「終わりの始まり」みたいな雰囲気を感じて荘厳な気持ちになります。

最後の最後の「死に絶え」パート、あれはもう一種の儀式です。ああいうお葬式ならあってもいいかなと思います(^_^;)。

本当に素晴らしかったです…。

そんなわけで、またしばらくコンサートはおあずけです。サントリホール近所にも託児所はあるんですが3時間預けるのと駐車代を合わせると1万円コースなのでそうは使えません。7月のマーラー10番(未完成の最終作品)にはたぶん行かないと思います。

もしインバル都響でマーラー3番や「大地の歌」を再演してくれる日が来たならば、僕は万難を排してコンサート会場へと向かうことでしょうが…。

いつかまた夫婦して定期会員に戻れる日がくればいいなと思います。僕はやはり都響が、都響の演奏や雰囲気が好きです。ではまた!

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