僕が愛したプール



これはたぶん1998年の秋に撮影した写真。コーチをしていた僕は部活が終わって生徒達が帰った後、たまにこうやってのんびりとプールを眺めていた。グラウンドではまだアメフト部が活動してるから時刻は20時ぐらいか?それにしては月が輝いている。三日月なら良かったのだけど(当時のホームページには三日月に加工した写真を載せていた、おぼろげな記憶がある)。

あの、なんとも言えない空気感を僕がまた味わう機会は、もうない。それは過ぎ去ってしまって、二度と戻らないものだから。過ぎ去って二度と戻らないものだからこそ、僕にとってかけがえのないものなのだ。匂いだけがかろうじて残っている。

先日、用事で芦屋を訪れた際、国道2号線沿いのロイヤルホスト前を通って久しぶりに思い出した。あの空気感。今から思うと大学生なんて、中学生とさほど変わらないと言ってもいいくらい青臭いガキでしかない。だけど青臭い僕ら大学生たち(僕とイノウエ、そしてイナガキやナカヤマたち)は、あのロイヤルホストで幾度となく水泳部のことを語り合った。夜遅くまで。夜遅いからこそ、語り合えることも多かった。

何故かはわからないけど、僕らは誰よりも真剣に、どこまでも真剣に、水泳部のことについて、そこに集う生徒達のことについて、語り合った。どうすれば彼らが最高の部活生活を送れるのか。泳ぐのが速いヤツは速いヤツなりに、遅いヤツも遅いヤツなりに、みんなが最高の3年間を過ごしてほしかったから。青臭く若い自信過剰な僕たちは(僕もイノウエもイナガキもナカヤマもみんなそうだったでしょ?)今から思うとたくさんの勘違いをしていただろうけれど(そしてそれは全て良い方向に行っていたと思う)、ただ1つ間違いなかったのは、間違いなく僕らは彼ら一人一人を愛していた。そして水泳部を、プールを愛していた。大きなお世話だったかも知れないけれど(^_^)。

などと上の写真を久しぶりに見て、感傷的になっている僕でした。ではまた。







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