2013年10月9日水曜日

NICU体験記(3) 完

前回からの続きです。
カモノハシ通信3: NICU体験記(1)
カモノハシ通信3: NICU体験記(2)

幸いにしてうちの子は大きな問題も無く、NICUの中では「健康優良児」として?すくすくと成長してくれました。生まれて2週間ほどでついに、胃にミルクを届けるチューブを外すことができました。

お外でぞんぶんにミルクを飲ませられるように

もちろんずっとハーマオイニーさん(奥様=魔女)は自宅で搾乳し、病院に届ける毎日を続けています。昼は1人で行き、夜は僕と2人で行きます。産後&搾乳により疲れた体で毎日病院まで歩いて通うのはかなりのハードワークだったようです。ありがとうハーマイオニーさん。

クベース卒業


クベースとは、いわゆる保育器のこと。クベースの中は適切な温度・湿度に保たれており、酸素濃度などもずっとモニタリングされているなど、NICUの赤ちゃんにとってはまさに命綱とも言える家のようなものです。

そこを出られたということは、もう「下界」で生きていけるだけの能力を得たと言うこと。喜ばしい反面、ちゃんと対応してくれるのか若干心配ではありました。

また胃のチューブも外れたので、ミルクは自らの力で飲むしか手段がなくなったわけです。疲れたからといってミルクを飲むのを途中でやめても、もはや誰から勝手に自分の胃にミルクを届けてくれることはありません。本当の意味での「生きる」が始まったと言えるかもしれませんね。

クベースを卒業したので、僕らからすればもう触り放題、抱き放題です(^_^)。おむつも替えやすくなりました。

育児指導


NICUの良い所は、そこにいる間ナースさんやドクターさんから実際的な育児指導を受けられることです。ミルクの与え方や、おむつの換え方、沐浴のさせ方を「実地指導」で丁寧に教えてもらえます。

こちらが希望せずともナースさんの方から「明日は沐浴させてみましょうね」とか「母乳をあげるのは火曜日からチャレンジしてみましょうか」とか適切なタイミングで提案してくれます。また疑問に思ったことはその場で専門家に聞くこともできます。ハーマイオニーさんにとっては、大変役に立ったようです。

おっぱいから母乳


そしてついにハーマイオニーさんのおっぱいから直接母乳を与えられるように。母乳を飲む前と飲んだ後に体重を量って、実際に何g飲んだかを測定します。



http://flickr.com/gp/kuro14/P5Kk9r

授乳は男子禁制の授乳部屋で行われるので、その間、僕は大変ヒマでした(^_^;)。仕方ないんだけど、せっかくダッシュで仕事から帰ってきて7時に病院に行っても、そこから30分間くらい独りぼっちで待たされるのは、ちょっと寂しかったです(;。;)。

そして退院


うちの子の横にはハーフのお子様、その名もポピーちゃんがいました。退院したら夫婦ともロンドンに戻るそうで、いつの日かロンドンでポピーちゃんに会える日がきたら面白いなと。旦那さんがイギリス人だったのですが、初めての沐浴を体験した後の彼の充実した笑顔が忘れられません。

生まれてから1ヶ月間弱。体重も順調に増え、母乳も飲めるようになり、ついに退院できることになりました。

前回も書きましたが、NICUのスタッフの皆様、ナースさん、ドクターには本当に感謝してると同時に、感心しています。大勢のスタッフで回っているとはいえ昼も夜も無い大変な職場で、いつでも笑顔で我々両親に応対してくれたことは本当に素晴らしく立派で、どれだけ我々の心の支えになっていたことか!

思わずドクターさんと一緒に写真を撮らせてもらいましたよ。若いのにしっかりしたドクターさんで、これからも頑張ってほしいです。

退院の日のために銀座のファミリアで買った他よりちょっとだけ高くて可愛い洋服を初めて着せ、病院を出ました。

IMG_3966.JPG
服、見えないですけど(^_^)

そんなわけで、ついに子が家にやってきました!

NICUの料金


NICUには多額の料金がかかっているようですが(一説では1日10万とも20万とも…)、川崎市の医療費制度のおかげで自己負担額はトータル2万円弱ですみました。健康保険の対象なので自己負担3割ですが、その自己負担分を市の小児医療費助成制度でカバーしてもらった形です。かかった費用は紙おむつなどの実費代のみです。地域によって制度は違うでしょうが「未熟児養育医療給付」といった保険制度もありますし(今回、我々は使ってませんが)、バカ高い金額になることはないでしょう。

その支払いも、子の健康保険証が出来てからでいいよとのことでしたので、まさに今日、病院に支払ってきました。ハーマイオニーさんが、母乳診断?のついでに。

さらにNICU出身の子には他にもお得な(というか手厚い)保護制度があります。冬に流行し、乳幼児が感染すると重篤化しやすく注意が必要なRSウイルス(先日もYahoo!ニュースで「今年も流行のきざし」みたいなのを見ました)。このRSウイルスの予防接種は、いわゆる任意接種でして、原則健康保険対象外のため、1回10万円以上します。しかも効果は1ヶ月間しか持たないので、その1回10万円以上の注射を冬の間は毎月打たなければなりません。一般人には無理です。ですがこのRSウイルスの予防接種(シナジスというらしい)を、NICU出身の子は保険適用で受けることができるのです!

もちろん未熟な子の方がかかるリスクが高い&かかったとき重篤化しやすい、ということでこのような措置になっているようです。

毎月打ちにいかないといけませんし、また大人でも痛い筋肉注射なので子はとっても痛いでしょうが、それでもRSウイルスから守られる安心感は大きなものです。

そんなわけで、以上、NICU体験記でした。

NICUに関わる皆様に祝福を。入院している子供とその親御さんにも祝福を。皆様の幸せを祈っております。本当に。


0 件のコメント :

コメントを投稿