都響674回定期演奏会は現代音楽

都響の定期演奏会に行ってきました。今年最初のコンサートです。僕にとっては初となる現代音楽ものでしたが、予想していた以上にとても楽しめました。

あ、今回はいつものサントリーホールではなく東京文化会館です。都合でチケットを振り替えました。座席は4列目のど真ん中。いつもの3列目14番よりも良かった…。

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2009年1月22日 第674回定期演奏会 Aシリーズ

指揮:梅田俊明
ピアノ:野原みどり

「日本管弦楽の名曲とその源流-7 プロデュース:別宮貞雄」
ダニエル=ルシュール:舞踊交響曲
矢代秋雄:ピアノ協奏曲
別宮貞雄:交響曲第4番『夏1945年(日本の挫折と復興)』

開演前に音楽評論家の片山杜秀さんって人によるプレトークがありました。現代音楽モノということで少しでも曲に親しみをもってもらおうという試みだったようです。それによるとルシュールさんは昨年生誕100周年だったオリビエ・メシアンさんと同い年で、メシアンさんと一緒にフランス音楽界を盛り上げた作曲家だったそう。そして矢代さん、別宮(べっく)さんはいずれもフランスに認められ留学した経験を持つ作曲家で、オリビエ・メシアンに師事したこともあるそうです。そんなわけで全体にフランス、パリの香りただよう選曲となっています。

絵画の佐伯祐三展を見たときも感じましたが、戦後復興の時代においてフランス・パリは日本の若き芸術家にとっての大きな憧れ、目標だったのかも知れません。すごく大きな存在だったように感じます。今でもそうなのかも知れませんが。

��曲目、ルシュールさんの舞踏交響曲ですが、すごく良かった!弦楽5部+ピアノ+ティンパニーのみというシンプルな構成なのですが、その分弦楽の美しさが存分に引き出されていました。特に第5楽章あたりでの1stバイオリン、2ndバイオリン、ビオラ、チェロの各首席奏者のソロ演奏による掛け合いなんか、すごく美しかった!特に今日のコンサートマスターは矢部さんということで、彼の音が存分に楽しめただけでも十分に価値があったと言うもの。

��曲目の矢代秋雄さんのピアノ協奏曲もなかなか楽しめました。第1楽章、第2楽章あたりはやたら暗くて妙に芸術的で「あんまり好かんなぁ」と思っていたのですが、第3楽章になって一気に爆発。まるで即興ジャズのような超ピアニスティックなフレーズの連続に、思わず体を揺らしてしまいそうになりました。日本人もやるなぁ、と素直に思った次第です。

��曲目は別宮貞雄さんの交響曲第4番『夏1945年(日本の挫折と復興)』。これも矢代さんのと同じように前半暗かったのが、後半盛り上がってくるような構成。曲のタイトルからも分かるように敗戦から戦後の復興の中で感じた思いを曲にされているそう。そんなわけで第3楽章ななかなか壮快な展開で良かったです。所々カトリックっぽい感じも好みでした。(←解説にそう書いてあったので)

指揮者の梅田さんは相変わらず明快な指揮ぶりです。どんな曲でも自信を持って振っておられるように見えます。対応能力のすごさを感じます。人も良さそうだし。

そんなわけで現代音楽もたまには良いな、と思いました。特に1曲目のルシュールさんの曲は是非また聴きたいです。Amazonで調べた限りではCDが無い…。その辺が現代モノの厳しいところか…。


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