カモノハシ通信3: 協奏曲をおすすめしてみる
普通、協奏曲って言うとソリストは1人なのですが、たまに2人以上のソリストを使った協奏曲というのが存在します。例えばベートーベンさんの作品には有名な三重協奏曲ってのがあって、これはピアノ・バイオリン・チェロと3人のソリストとオーケストラとの合奏です。今回ご紹介するブラームスの「バイオリンとチェロのための二重協奏曲(略してダブル・コンチェルト、略されてない!)」もそのひとつ。ちょっとクラシックを知った気でいる僕程度の人に特に人気だと思います、たぶん(^_^)。
だってカッコいいんだもん!
まず単純に音楽がカッコいい!バイオリンとチェロが時に戦うように、時に寄り添うように奏でる二重の旋律はもうホント単純にカッコいい!例えばこのへん聴いてみてくださいよ。とりあえず2分00秒の所から1分10秒間だけでいいですから!オーケストラが入るとこなんか最高!
どうこれ!カッコよくない!?(興奮気味に)
実は僕はこの曲を以前サントリーホールでの都響の演奏で生で聴いて、クラシックが一気に好きになりました。これとあと別の日ですがブラームスの交響曲1番を聴いて「こりゃもうどっかの定期会員になろう!」って決意したくらいです。
このブラームスのダブル・コンチェルト。ただカッコいいだけではないのです。
実はこの曲はケンカしていた親友のバイオリニスト、ヨアヒムさんって人との仲直りのために作られた曲なのです。ブラームスさんは自分をチェロの音色に投影して、ヨアヒムさんの弾くバイオリンと最初は激しく争いながらも徐々に心が一つになっていく。そんな美しい友情物語なのです。
例えばこのへん。第2楽章の最後、25分50秒くらいのとこからがまさに仲直りの瞬間だと僕は勝手に思っているのですが、どうでしょう。せめて25分00秒のところからどうぞ。
いやー美しいですね。それにしても1つ目の動画と音が全然違いますね。2つ目の動画の指揮者ノリントンさんはピリオド奏法って言って昔ながらのシンプルな音楽を追究してることで有名な方です。オーケストラのバイオリンやチェロ奏者の左手に注目してもらうとビブラートをかけてないことがわかります。そういう違いを知るのもクラシック音楽の楽しいところ。
実はこの曲は「ブラームス最後の交響曲…だったかも」という背景があります。ブラームスさんは生涯で4つの交響曲を作りましたが、この曲は5番目の交響曲として作られ途中だったそうなのです。確かにただの協奏曲とは思えないほどの、スケール感、重厚感を感じますよね。なぜ協奏曲として仕立てたかというとそれは先ほどのヨアヒムさんとの件があったから。長年の友情関係をこじらせたまま一生を終えたくないと思ったブラームスさんが一念発起して(たぶん)、バイオリンが大活躍する協奏曲に作り替えたのです。
しかもこの曲はブラームスさんが残した最後の管弦楽曲で、この後はピアノ曲とかしか作っていません。よくは分かりませんが、想像するに「オーケストラの曲はもうこれで極めたったわ、おれ!」ぐらいの気持ちになっていたのかも知れませんね。
要はそのくらい気持ちと気合いの入った、ブラームスさん渾身の1曲なわけですよ。ね、すごいでしょ?(興奮気味に)
というわけで最後、第3楽章をお聞きください。最後はレジェンド級の奏者2名(バイオリンのオイストラフとチェロのロストロポーヴィチ)の演奏です。29分20秒くらいからがオススメ。
どうですか?生で聴いてみたくなりません?
ちなみに僕は先日、この曲を生で聴いてきました。上野の文化会館主催公演でオーケストラは都響、バイオリン渡辺玲子さん、チェロ長谷川陽子さんでした。すっごく良かったのでこの公演の感想をまた次回書いてみたいと思います。
最後にオススメCDを。僕はこれを愛聴しています。たぶん100回以上聴いてます。とりあえず買って損はないです。東西冷戦中に奇跡的に実現した歴史的にも貴重な1枚。それが何と1,000円ちょっと!是非どうぞ。
ではまた!
以前、同じような内容でブログ書いてました(^_^;)。
カモノハシ通信3: ブラームスのダブル・コンチェルト
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