小泉都響で「悲愴」

今日7月19日は東京都交響楽団(都響)の定期演奏会でした。指揮者が小泉さんに急遽変更。

第738回 定期演奏会Bシリーズ(サントリーホール)
指揮:小泉和裕

ベートーヴェン:「エグモント」序曲※
ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」より 前奏曲と愛の死※
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調「悲愴」

小泉さんの指揮はつい先日の「作曲家の肖像(ショスタコービッチ)」コンサートで聴いたばかり。2連ちゃんです。しかもサントリーホールで。もちろん僕は大歓迎。なんと言っても小泉さん&都響の演奏は最高ですから。



先日のショスタコでも感じたのですが、小泉都響の演奏には「楽団全員の心が一つになってる、今!」って思う瞬間がよくあります。僕の先入観・カンチガイかも知れないのですが、例えば先日のショスタコの序曲。ある瞬間に僕はそのように感じ、特に感動的ではない曲調にも関わらず一瞬、ほんの一瞬だけ涙腺が緩みました。オーケストラのコンサートではそのようなことがたまに起こりますが、小泉都響だとその割合が高いのです。そう感じてるのはたぶん僕だけではなく、ショスタコの序曲では1曲目とは思えないくらいの熱烈なブラボーが多数飛んでいました。

今日もまずエグモント序曲が素晴らしかった。普段淡々と指揮する小泉さんの姿を見慣れていると、たまに大きく体を揺らして腕を振ったりされるシーンがとりわけ感動的に聞こえてきます。

そしてチャイコフスキーの「悲愴」交響曲。本当に素晴らしかった。特に曲の聴かせどころになると(チャイコフスキーにはわかりやすい「聴かせどころ」が多数ありますよね)、演奏者全員の意識がより一体化し、より研ぎ澄まされるのがわかりました。これはたぶんカンチガイではないです。明らかにポイント・ポイントでの集中力の高まりを感じました。そして大事なのは、その音がありえないくらい澄んで美しかったということ。それはきっと小泉さんの意志がオーケストラ全体にくまなく染み渡っていたということです。たぶんね。

オーケストラメンバーのツイートを見ていると、急遽指揮者の変更があったこともあり、練習の冒頭に小泉さんが何かスピーチらしきものをしたそうなんですよね。そのスピーチと練習時の音楽に感動して「やっぱりマエストロ小泉さんはすげー!」てなことをツイートしてる奏者が数名いました。一流の人間からそう思われるマエストロはやっぱりすごいのでしょうね。

そんなわけで終演後の観客の拍手にはすごいものがありました。ブラボーも連発。指揮者はオーケストラを褒めたたえ、オーケストラも指揮者を最大限褒めたたえしてる姿を見るのはいいものです。

それにしても今日のオーケストラの小泉さんへの讃辞にはちょっと特別な何かを感じました。小泉さんは来年から仙台で音楽監督に就任することが決定しているそうですが、まさか都響はやめないですよね…。とちょっと不安に。

ちなみにこちらがチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」の第4楽章です。この始まりが好き。あと最後しんみりと終わるところもまた良い。



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完全に蛇足ですが、今日の後半。誰かのデジタル腕時計か何かの秒針音?らしきものがずっと鳴ってました。ぴ・ぴ・ぴ・ぴ…と延々。非常に微妙な小さな音だったので、気づいていない人も多かったと思いますがあれは本当にカンベンしてほしかった。

クラシックのブログネタも随分たまってるんですよ…。書いていかないと…。ではまた!


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