<プログラム>
2010年6月15日 東京芸術劇場
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:レオシュ・スワロフスキー
ピアノ:辻井伸行
ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」op.92
ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 op.11
ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 op.68
今シーズンもっとも楽しみにしていたコンサートの1つ。年に1度か2度の贅沢で、S席12,000円!に座ってまいりました!0列ど真ん中。やっぱり音がいいなぁ。全然違う…。
スロヴァキア・フィルについてはまた次回書きます。6月12日にもサントリーホールで聴いたのでそれとあわせて。
やはり辻井伸行くんはすごいです。
ミーハーと言われようがすごいものはすごい。ものすごい期待を持って聴きに行ってきたのですが、その期待を上回る素晴らしい演奏でした。これ以上のピアノ協奏曲は聴いたことがなかったし、この先聴くことがあるのだろうか?と言うくらい。
故郷ポーランドからオーストリア、ウィーンへと旅立つ青年ショパンの心情(強い決意や一抹の寂しさや)がこれでもかと込められた感動的な名曲、ショパンのピアノ協奏曲第1番。この美しすぎる曲は辻井君にピッタリです。
いつも感じるのですが、音のバランス感覚が絶妙。特に今回はオーケストラとの協奏曲なので、音の大きさのバランスが重要だったと思うのですが、辻井君の演奏は完璧。オーケストラという大海原を時にジャンプし、時に深く潜り、気持ちよく疾走(泳?)するピカピカのイルカの様なピアノを聴かせてくれました。
と思えば繊細なピアニシモの静けさ。どうすればあんなに美しい音が鳴らせるのだろう?
今日ふと思ったのですが辻井君の演奏にはジャズの良さも取り込まれているのではないでしょうか?ジャズと言っても細かくテンポを揺らしてスウィングするのではなくて…。なんて言うんだろう?全体の流れの中でスウィングしているような。
このショパンのピアノ協奏曲1番、特に第1楽章には、左手は単純な和音の伴奏のみで右手がシングルトーンのメロディを奏でる箇所がたくさんあります。そのシングルトーンの美しさが何とも言えずジャズっぽいんです。なめらかでミスタッチの無い、完璧に計算し尽くされているようで、もしかしたら無垢で純粋なだけの音の響き。
なんともいつくしみ深い音楽を創り出しています。
僕の中での「好きなピアノ協奏曲ランキング」で、ショパンの1番がラフマニノフの2番を抜いて1位に躍り出ました。辻井君のおかげでまた1つ大好きな曲が増えました。
今度は辻井君でラヴェルのピアノ協奏曲を聴いてみたいなぁ。
とにかく贅沢してS席を買ったかいのある演奏会でした!良かった!
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