過去文書『ヘンな人シリーズ1』

※この文章は1999年12月10日に「カモノハシ通信12月号」用に書いたものです。ちなみにこういう過去の文章は全部で400回分ぐらいあります。自分で読むとかなり恥ずかしい。よくこんなのネットで公開していたなと思います。

大学2年生の時のとっともおかしかった英語の先生について書きます。女の先生だったのですが、とにかく怖いくらいヘンでした。

この人の口癖は「驚くなかれ!」。1回の授業中に5回も6回も多いときはもっとたくさん「驚くなかれ!」って言うので、学生の間では「オドロクナカレ」というあだ名が定着してしまいました。でも驚くなかれ、全然驚かないところでばっか「驚くなかれ!」って言うんです。それもすごい大げさに。

英語の授業は主にナチス・ドイツに関する文献(だったか小説だったか)を読解する内容のものでした。異常なくらいナチス・ドイツに関心が強い人でそういう意味でも相当に怖かったのですが、例えばこういうトコで「驚くなかれ!」を使ってました。

当時ナチスドイツはユダヤ人を目の敵にしてものすごい迫害を加えていましたが、ユダヤ人以外にもナチスが目の敵にしてた民族がいくつかありました。それがいったいどの民族だったかわかりますか?って学生に聞くんです。もちろん教室はシーンとなります。そこに大きな声で

「驚くなかれ!ジプシーだったんです!」

「知るかー!」でしょ?でもこの「驚くなかれ!」が出たことで学生は「でたぁ!」って感じでザワザワします。友達同士顔を合わせたりして「またでたな」「ああ」てな感じで。幼稚な学生だと思われそうですが、本当に面白かったんです。それ以外にもことあるごとに「驚くなかれ!」を連発していました。

当時『ダウンタウンのごっつええ感じ』という番組がありましたが、その中の松本人志扮する「四万十川料理学園料理長の四万十川さん」ってのにその先生はそっくりでした。だから「オドロクナカレ」の代わりに「四万十川」でも学生には通じました。そのヒステリックなトコもよく似てたんです。

そういえばこの人の試験も本当にヘンでした。これはれっきとした英語の授業だったのです。なのに試験は問題文の一部は英語だったものの、回答はすべて日本語でするものでした。しかもその内容はたしか「迫害を受けていたユダヤ人の心理について書きなさい」かなんかそういうものでした。その試験を受けたあと誰もが「全然英語と関係ないやんけー」と叫んでました。だから必死に英語の勉強をしてた人(授業で使ったテキストを必死で読解したり訳をつけたりしてた人)はかなり怒ってました。しかもまたそういう人が落とされてたんです。僕の柔道部の友達も落とされてて、ほとんど本気で「殺したるぅ」って言ってたのが印象的です。

ああいうヘンな先生がいるところが関学らしい…なんて間違っても言えないくらいヘンな先生でした。たぶん法学部の教授さん達はあつかいに困ってたんじゃないでしょうか?授業そのものはけっこうまじめにやってらしたのでそれはよかったのですが…。それにしてもヘンだったなぁ。


��今の自分からのコメント>
大学2年生だったころから早くも10年の時がたとうとしています。なんだかついこないだだったのにな。(さすがに中学生や高校生時代のことは「ついこないだ」とは思いませんが)

ちなみに四万十川料理学園の人は「キャシィ塚本」が正解でした。


2 件のコメント :

  1. 最高です!その先生に会いに行きたいです!
    今もご健在なのでしょうか?
    でも大阪まではちょっと遠いですね。
    ヘンな人シリーズ2も期待してます!!

    返信削除
  2. ハーマイオニーさんの同僚の方ですね!
    お読みいただきありがとうございます。
    また、かなりマニアックなところにコメントを
    つけていただきありがとうございます。
    身近な「ちょっとヘンな人」をとりあげると
    確かに面白いかも知れません。
    またいつか書いてみます。

    返信削除