カモノハシ通信3: 鰹節削り機を買ってみた(1)
鰹節削り機のこと
今回買ったのは「木屋」の製品。「木屋」は東京日本橋にある創業222年の老舗刃物メーカー。うちではキッチン鋏も木屋のものを使っています。
刃には木屋の刻印があります |
うちが買ったのは最もお安い9,500円のもの。もう少し良いのになると箱に抽斗(ひきだし)がついていて、削った鰹節を取り出しやすくなってたりするのですが、それは別にいらないかなと。一番安くても、もっとも大事な刃は木屋製だし、カンナ部分には樫の木が、箱部分は桐が使われていて一見してまぁまぁ高級感があります。
ただしこの商品。木屋の本店やWEBストアには置いてありません。限定なのかどうかは知りませんが、日本橋三越で購入しました。銀座三越でも売ってるのを見たことがあります。
三越で買っても、カタログ落ちしてる商品でも、れっきとした木屋の製品だからメンテナンスは木屋に持って行けばOK。その辺は全く問題ありません。
鰹節のこと
いざ鰹節を買おうと銀座三越の売り場に行くと、いくつか種類があって困惑しました。事前知識がほぼゼロだったもので(^_^;)。
鰹節はもちろんカツオを切って乾燥させたものだと思いますが、製造過程や大きさによっていくつか種類分けがあるのです。
1.枯れ節と荒節
表面にカビを付けて極限まで水分を抜いたものが「枯れ節」。カビ付けまでしないのが「荒節」だそうです。枯れ節につくカビはもちろん食べて害のあるものではありません。枯れ節の方がより水分が少ないので大変固くなります。カッチンカッチンです。ちなみにうちの鰹節削り機は「枯れ節専用」と書かれていました。
2.背節と腹節
鰹節は通常1匹のカツオから4つのパートが取れるそうです。背節はもちろん背びれ側で、腹節はお腹サイドで、表裏それぞれ2本ずつ取れるわけですね。背節よりも腹節の方が油分が多くなるのでコクがある反面、削るのが難しいようです。もちろん背節のスッキリ感も捨てがたいですし。
3.改良型と薩摩型
これはカツオの加工方法の違い。改良型というのが一般的な手法で、薩摩型というのが枕崎に伝わるより高度な手法だそうです。なんでも薩摩型だと生きた状態で皮を剥いでしまうので、より鮮度が良い鰹節が出来上がるそうです。なので薩摩型の方が一般に高級品ということらしいです。
4.本節と亀節
一般的に鰹節に適したサイズの大きなカツオから作られるのが本節。対して小さめのカツオから作られるのが亀節で、背側と腹側で分断されていません。
この辺はこちらの鰹節やさんのサイトが大変参考になりました。「伏高」さんは築地にある鰹節やさんで、なんでも予約すれば素人さん向けに鰹節削り方講習会を無料でやってくれるそうです。
鰹節の話|鰹節 伏高
そして削ってみました
「伏高」さんのサイトにあるYouTube動画を参考にやってみました。大変参考になります。
さすがに「花のような」削り節はできませんでした(^_^;)。途中カンナを金槌でコンコン叩いて刃の出具合を調整してみたりもしたのですが、なかなか難しいです。この辺は何度もやって感覚をつかんでいくしかないのでしょう。それか無料講習会やってもらうか。
鰹節は薩摩本節を買ってみました。写真は削った後(^_^;) |
こんな感じ。かなり細かい感じになっちゃいました。 |
削るのはそれなりに力がいりますが、ヘトヘトになるほどではありません。ギコチないながらも、とりあえず削れました。
とまぁこんな感じで我が家に鰹節削り機がやってきました!前回も書きましたが、削りたての鰹節でとった出汁は最高に美味しかったです。いつもいつも、これを使って出汁を取るなんてことは出来ないでしょうが、たまに「今日は美味しいお味噌汁を作ろう!」と思ってそれを実行できる可能性を持ったことは、人生における小さいけれど確かな進化ではないかと。
皆さんも一度、鰹節削り機を検討されてみてはいかがでしょうか?ではまた!
嫁の実家が金物屋で、鰹削り節も作ってますねん。
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