小選挙区制について

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今日は各新聞社もちろん衆議院総選挙の話題一色。だいたいは「自民が勝ったのではなく、民主が負けたのだ」と言ったよく聞く話ばっかりでいささか興ざめだったのですが、そんな中、天声人語はわりに面白かったです。

19年前のカナダ下院総選挙での与党惨敗(169議席→2議席)を引き合いに出し、「小選挙区制がうっぷん晴らしの装置になっているようでもあり悩ましい」という感想を述べています。

何を隠そう僕がかつて大学の卒業論文のテーマとした事象が、まさにこのカナダの事例なんです(^_^;)。カナダ下院は完全小選挙区制。なので与党が何かやらかしちゃうと前述のような非常に極端な結果が出ることもあり得るわけです。現在の日本の場合まだ比例との併用なので、そこまで極端にはなり得ませんが、以前の中選挙区制だった日本からすると小選挙区制はちょっとした「憧れの的」だったのではないかと思います。民意がかなりダイレクトに伝わる(ように感じる)のですから。

実際僕は大学時代この完全小選挙区制は「素晴らしい」と信じていて、「こんな風に国民がNOを言える選挙制度あってこそ、真の政治が生まれるのだ!」と絶賛していました。

今はちょっと意見が違います。天声人語さんも書いているとおり、今回、小選挙区制はまさに「うっぷん晴らし」の装置として機能してしまいました。民主党の面々は次々に議席を失い、元総理大臣まで選挙区では落選してしまいました。

そのチョイスは、そのチョイスをすること自体は国民の大いなる権利であり、文句の付け所はないのですが…。



思うのは、やはり「小選挙区は人柄もしくは能力で選ぶ」というのが正しいのではないかということ。

今回多くの選挙区では「もう民主党なんかに入れてあげないもんね!プンプン」みたいな感じで、多くの非常に優秀な人たちが、よくわからんご高齢の老人あるいはよくわからん若い輩に駆逐されてしまいました。マスコミによるイメージ操作も大いに関係あると思います。

例えば田中真紀子さん。僕、もともとこの人のことは大嫌いなのですが、でもこないだの大学許認可問題の際は僕は「素晴らしい」と思いましたもん。その裏付けがどの程度の信念に基づいているのか、真摯なデータが元になっていたかは知りませんが、結果として大学の許認可問題に一石を投じたあの行動は本来賞賛されてしかるべきだと思うのです。ですがマスコミはこぞって「またアホなことやってる」風な報道ばかりでした。ま、あの人が落っこちて特に残念というわけではないのですが、じゃあ代わりに当選した人にあそこまでのパワーがあるのか、日本のために何かをできる力があるのかというとちょっとアレじゃないですか。

人柄や能力なんてなかなか計り知れるものではないのも事実ですが、小選挙区まで政党しばりガチガチで考えるのはちょっと危険だな、ということを思った次第です。ではまた。



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