新宿文化センターで都響の第九

12月4日の日曜日は新宿文化センターで都響の第九を聞いてきました。指揮は若き俊英ヤクブ・フルシャさん。去年、都響のプリンシパル・ゲスト・コンダクターなるものに就任。僕も2回の演奏を聞きました。いずれも母国チェコもののプログラムでしたが、大変美しく明晰な音楽であったと思います。

このコンサートは新宿区が主催ということでホールも普段あまり縁のない新宿文化センターなわけですが、どういうわけか都響は毎年のこのコンサートに(正直ちょっともったいないんじゃないか?ってくらい)素晴らしい指揮者を配してきます。例えば一昨年聞いた時はレオシュ・スワロフスキーさんでした。にも関わらず料金が非常に安いので、極めてお得なコンサートじゃないでしょうか?

なのでもちろん合唱団はアマチュアです。たぶん。アマチュアですよね?でも結論からいうとこの合唱団が想像のはるか上をいく素晴らしさでした!見事。けっこうたくさんの人数でしたが、すごくよくまとまっていて、音程もしっかりしてて、かつ美しかった。僕が以前聞いた僕の実家の市民第九の合唱団とは雲泥の差でしたよ、ちなみに母も参加していましたが(笑)。ちなみにそのときは関西フィル&藤岡さんで、母曰く練習時に合唱を聴いた藤岡さんはかなり焦っていたそうです。そりゃいくら市民第九とは言えオーケストラはプロなんですからね。一定のクオリティは必要でしょうよ。

そしてフルシャさんの第九はこりゃもう笑っちゃうくらい現代的(いや、逆に古楽器奏法的なのか?)なものでした。前日に小沢征爾さん&サイトウキネンの第九をCDで聴いたんですがあまりの違いぷり。何がって、主にテンポが。

超はやかったです!

さらに普通ここはじっくり・ゆっくり聴かせるだろう、ってポイントでも一切間を開けずにたんたんと音楽を前に進めて行きます。リタルダンド(徐々にゆっくり)の指示がないところでは絶対にリタルダンドしないもんね、俺!って声が聞こえてくるよう。小沢さんともインバルさんとも全然違う!

正直好きか嫌いかでいうと「嫌い」なタイプの演奏ではありましたが、非常に楽しめました。あとそれでもやっぱり感動的なスケールの大きさを感じられるベートーベンの第九はやっぱりマジカルな音楽です。

あと気づいたことをメモしておくと
・合唱団は第1楽章の最初から着席してた。
・合唱団はソプラノとアルトの間に男性陣を挟む形だった。(女性はその方が歌いやすいでしょうね。きっと。)
・ソリストたちは第3楽章から入場。
・にもかかわらず第4楽章まえにも休憩がはいる。
・さらに第4楽章ではピッコロ奏者ほか2名が入場。そういうのは初めて見た。
・正直ソリストではソプラノだけが飛び抜けて素晴らしかった。と思う。
・第2楽章のホルンって首席じゃない人が吹くんですよね?そこが特別素晴らしかった。
・第4楽章でコントラファゴットがボッ、ボッっていう所、なんか変な音だったような。あの方って見たことなかったけどエキストラさん?
・チェロは珍しく古川さん→田中さんの席順だった。
・第4楽章でコントラバスが歓喜の歌を歌い始める超肝心なところで、
後ろの席のおばちゃんがうるさくしはじめてガッカリ。よくは見えないけど携帯電話のストラップにつけた鈴の音っぽかった。合唱団にいる知り合いをこっそり撮影しようとしてたのかも。気持ちはわかるけどさぁ。

てな感じでした。来年もきっとあるだろうから安くプロオケの第九を聞きたい方は是非。新宿区民の方ならさらに500円引きですよ。


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