同期の忘年会が始まるまでの時間つぶしに僕は有楽町のビックカメラをうろうろしていました。相変わらずのすごい喧騒です。
2階にある単品オーディオコーナーで僕は買えるあてもない高級アンプやスピーカーを眺望のまなざしで見ていると、1人の男性が店員と真剣にやりとりをしているのが目に入ってきました。どうもスピーカーの品定めをしてるらしく、いくつかのスピーカーから交互に音を出して試聴してます。いずれも5万円ほどのちょっぴり高級な、ブックシェルサイズのコンパクトなスピーカー。正直僕からしてもたいして良い音ではありません。
でもそこから流れてくる音楽に僕は激しく感動してしまったんです!曲はベートーベンの交響曲第九の第3楽章。理由はわかりませんが、僕はあやうく涙がでそうになるほどの感動を覚えました。
そんなことってあるんですね。
正直僕は第九の第3楽章は「美しい音楽だなぁ」と思うことはあっても、さほど思い入れのない、僕にとっての重要度はたいして高くない、よく聞く有名な曲の一部でありました。第九と言えばどうしても第4楽章ですし。
それがこんな場末の(笑)喧騒にあふれるビックカメラ2階のスピーカー試聴コーナーで聞くことで、なんで感動してるんだ僕!?
不思議な出会いです。
なんでしょう?泥の中に咲くハスの花的な美しさ?いや、そういうんでもないんだよなぁ。
失敗したなと思うのは、その演奏が誰の指揮でどこのオーケストラによるものだったのかを聞かなかったこと。僕はおじさんに「今かかってるCDは誰の第九ですか?」って聞くべきだったのです。
で、今、家にあった小澤征爾さん&サイトウキネンの第九の第3楽章を聞いてます。これがあのときの演奏かどうかまではわかりませんが、この第3楽章が大好きになっている自分を発見。
こういうのって人生における確かな幸せの一つですよね。
そして明日は都響の第九です。指揮は新鋭ヤクブ・フルシャさん。とても楽しみです。では。
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