恥晒し、僕はいかにして免許を失ったか(後編)

免許停止明けの4日目、僕はまた車で出勤していました。その日も遅くに会社を出ました。首都高速道路を通り(9号深川線は通らず普通に)、千鳥町ICというところで高速を降ります。そこから先は別料金400円がかかる区間に入るので、そこで降りてあとは一般道を走る作戦です。夜中だし一般道も空いていて快適でした。もちろんオープン状態です。

さすがに免許停止明けすぐでしたので、僕にしてはめずらしく、おとなしく左側車線をゆっくりと走っていました。本当に言い訳でも何でもなく、あまり車をとばしたいという気持ちが沸いてこなかったので、平和に車を走らせていました。

長い上り坂に差しかかりました。2車線道路の左側を僕は平和に走行していたのですが、100メートルほど前方の右側車線を大きなバスがノロノロ走っているのが見えました。僕の車の方が若干速いスピードでしたが、全く問題となるスピードではありません。左側車線ではありますが、バスを追い抜いてしまうのは明白でした。そんな状況で、後方から右側車線をタクシーが結構なスピードで走ってくるのが見えました。「こいつはきっとこっちの車線にきてバスを追い越すだろうな」と僕は思いました。その読みは正しかったのですが、そのタクシーはなぜか僕の車のちょうど横にきたぐらいのタイミングで(その時点でバスのすぐ後ろぐらいに迫ってた)、左指示器を出して車をこちらに寄せてきたのです。「おいおい、なんだよ」と思いながら僕はアクセルを踏んでスピードを出し、僕の後ろにタクシーを入れてあげました。このとき僕がブレーキを踏んで、僕の前にタクシーを入れてあげていたら…、このとき僕がアクセルを踏みすぎなければ…。そうです、結果的に結構なスピードを出してしまっていました。そしたらいたんです、移動オービスが!!

一瞬「なんだこんな路肩に車とめて、このワゴン……あ、ひょっとしてこれが!」「パシッ!」…。またもや赤い光です。その場所で移動オービスを見たのはそれが初めてでした。ワゴン車の後ろにカメラを積んでいるタイプです。というか移動オービスって、運転者をやたら驚かせて危険だから全国的に数が減っている、というニュースを読んだことがあったくらいだったので、まさかそんなものが、よりによってこんなところに(上り坂を登りきったとこにいた)いるなんて!!……ゲームオーバーです。またもや車ともどもうなだれて寮に帰りました。ちなみにタクシーは助かったみたいです。

前回同様、超過50キロ以上、減点12点。もはやどうでもよいのですが罰金はまたもや9万円でした。ところがこのときの違反通知はがきがなかなかこなかったんです!!もっとさっさと取消にしていてくれればあんなこと(この「悲劇」はまた今度書きます)にならなかったのに…、というのはあまりに責任転嫁です。すみません。オービスが光ったのが2003年11月頭で、処分が下ったのは2004年3月17日でした。

最初の違反で「免停等の前歴1回」がカウントされてしまっていますので、今度は免停や免許取消になる点数が減ってるわけです。前歴0回だと15点で取消だったのが、今度は10点で取消になってしまいます。最初の12点は停止処分を受け済みなのでカウントされませんが、12点となれば一発取消対象点です。

ネットで調べてみればわかりますが、取消の対象点数となっても、場合によっては処分が軽減されて長期免停になったりします。ちょうどその頃、大阪府警が独自の裁量で全国の標準よりもかなり甘めに処分を軽減していることが発覚したりしていました。そんなこともあって、僕は勝手に「まぁ免停に軽減されるだろう」と確信していました。このスーパー愚かな考えが、より悲劇を招いてしまうわけですが、それはまた今度書きます。

結局3月17日、免許取消の処分が決定されました。その日僕は家から自転車で免許センターに行ってたのですが(とても近いところにあるんです)、帰りはタクシーで帰りました。さすがの僕も本格的にガックリきていましたので…。

というのが僕が免許を失った経緯です。こうやって書いてみるとわかりますが、自分がいかに愚かな考えを持っていたことか。本当に恥晒しです。先日受講した「取消処分者講習」では講師の人から「あなたたちはマナーが守れない人なんです。思いやりがない人なんです」と言われましたが、反論できません。千葉県だと免許取消処分を受ける人は、全免許人口の0.05%なんだそうです。僕はそんなとんでもない確立の1人になっていたわけです。今まで漠然と「僕はほぼ模範的な社会人をやってるもんね」と思っていたのですが、そうではなかったわけです。ということに気づきました。

どうか真似だけはしないように、僕の二の舞になることだけはないように、お気をつけください。

しかしさらなる悲劇は続きます。途中登場したキーワード(9号深川線、4日間)は次回登場します。ではまた。


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