保育園の運動会を撮影(1) ちょっとしたノウハウも

今年も保育園の運動会を撮影してきました。園の公式カメラマンとして依頼されて撮影しているものです。息子の入園以来、夏祭りやお楽しみ会、運動会といった全体イベントでは全てカメラマンをつとめています。「やる」と言ったからには「いらない」と言われない限り最後まで全力を尽くしたいと思います。ちなみに僕が園に納めた写真は、写真販売サイトで保護者に販売されます。僕には1円も入ってきません\(^o^)/

あまり自分の息子の写真を撮れないのが一番ツライ…

これ、たぶん皆様の想像の何倍も大変なんですよ〜(^_^;)。自分で言っちゃって何とも情けないのですが…。撮影中もまあまあ大変ですが(3時間以上走り回って1,000枚以上撮影するんですから。ほとんどしゃがんでの撮影なので太股はひどい筋肉痛になります)、とにかく撮影後に時間がかかるんです。

だってまず全ての写真を見て、いる/いらないを判断しないといけないんですよ。連写は使ってないのですが、それでも似たような写真が続くことはよくあります。前後で見比べて、こっちがいいかな?それともこっちかな?と悩むこと多々。仮に1枚10秒平均で見たとしたら、それだけで1万秒=2時間42分かかるわけです。当然それだけではありません。

ちなみに今回の総撮影枚数は1,334枚。連写は一切使ってません。本当は連写を使ってよりよい瞬間を残してあげたいとも思いますが、そんなことしたらたぶん1万枚くらいになっちゃってバッテリーもメモリも全く足りませんし、何より僕の時間がさらに何十時間もとられちゃいます。申し訳ない。

僕のカメラと撮影ノウハウ


去年、今年と暗い体育館の中での撮影でした。本来であれば暗さに強い最新の大きなセンサーを備えた高級一眼レフと、明るい標準レンズとを使いたいところ。シャッタースピードを1/500程度に固定して、ISOは最高12,800まで自動で上がるようにしておけば、簡単に綺麗な写真が撮れることでしょう。

しかし僕にそんな機材はありませんので、気合と工夫で乗り越えます。

僕のカメラはキヤノンEOS Kiss X6i。Kissですよ、Kiss。2012年に発売されたエントリー向け一眼レフです。保護者さんを見渡せば僕より良いカメラをお持ちの方がたくさんおられて「それを貸してくれ〜」と思わざるを得ません(^_^;)。中には白いLレンズ(何十万円もする高級レンズ)をつけておられる方も。僕のレンズはEF-S18-135mm f/3.5-5.6 IS STMという普通のレンズです。レンズはこれ1本のみ使っています。

去年も体育館内での撮影に苦労したので、今回はEOS 80Dぐらいを用意して臨もうかとかなり悩んでいたのですがハーマイオニーさん(奥様=魔女)の決済がおりず断念。「この後どうせiPhone X買うんでしょ!」と言われ沈黙…😵

でもKissの良い所はその軽さ。僕はネックストラップは使わずに、ハンドストラップを付けて常に手で持っているスタイルなのですが、重たいカメラだったらそれは無理。普段から鍛えているわけではないので(^_^;)、何時間も、例えば2Kg以上するプロ用のカメラとレンズを持つなんて不可能。握力無くなっちゃいますよ。ただでさえ僕の右手は過去の手首の骨折やら謎の手の平痛(これは去年やばかった…今は治ってます)でけっこうギリギリなんです。僕にとって軽さはものすごく大事。

外部フラッシュは必須。いつも言ってますが子供や猫を室内で撮りたいのなら、標準レンズの次に揃えるべきは外部フラッシュですよ奥さん。もう10年くらい僕が使っているのは初代430EX(一昨年430EX 3が出てます(^_^;))。去年は天井バウンスで撮影し、それなりに効果はあったものの、体育館の高い天井ではやはり限界があり失敗写真が量産されてしまいました(=その後の修正作業が超大変)。今年は基本ディフューザー(白いカバーみたいなの)を付けた上で直射。結果としてこれは大正解。悪条件では写真の雰囲気よりも、撮れていることを優先するのが鉄則だと深く心にきざみました(^_^;)。

ブログ公開用に息子だけ切り取っております。
f5.6 1/200 ISO400 フラッシュ直射

しかし外部フラッシュを使うと原則最速で1/200までしかシャッタースピードを上げられません。保育園児なので大体はこの速度で問題ないのですが、それでもダンスなどで激しい動きをされるとアウトです。そんな場合は画質は犠牲にして、シャッタースピードを上げて固定し、ISO(というのは光の感度のことです)を上げるしか選択肢はありません。(シャッタースピードを上げると取り込む光の量が減って暗くなってしまうので、それを防ぐためにISO感度を上げるのです。ただしISO感度を上げると画質は劣化します。)

僕はシャッタースピードは1/500固定、ISOは上限6,400でオートにして撮影しました。ISO6,400というのはKiss X6i世代ではこれが限界です。当然RAWで撮影し、後からAdobe Lightroomなどの優秀なノイズ除去エンジンを使えば、ギリギリ人様に見せられる程度の見栄えに仕上げられます。

こちらも息子だけ切り取ってます。いまいち!
f5.0 1/500 ISO6400 フラッシュなし
1/500というのはギリですね。上の写真でも足が少しブレています。スピード感が表現できて丁度良いともいえますが、写真の成功率は落ちます。

5歳児クラスでは跳び箱を飛ぶシーンがあったのですが、ジャンプの頂点を狙えば1/500で十分いい写真が撮れました。結構良い写真が沢山撮れたのでここで公開したい気持ちでいっぱいなのですが、昨今それは不可。残念です(^_^;)。

まとめると、子供の演技を暗い体育館で撮影するならば以下2種類の設定を使い分けるのがおすすめ!ダイヤル回してAvモードとTvモードを切り替えればOK。

①さほど動きが速くないシーン
・Avモード(絞り優先モード)
・シャッタースピードは1/200固定
(設定画面から「Avモードでのストロボ同調速度」を選べます。キヤノンのは)
・絞りは開放か1段絞るくらいで(ここは臨機応変に)
・ISOは400ぐらい、オートでも可
・フラッシュ直射、もしくは天井バウンス
・記録モードは絶対にRAW

②動きの速いシーン
・Tvモード(シャッター速度優先モード)
・シャッタースピードは1/500以上で固定
・絞りは開放かできれば数段段絞る(絞ったほうが安全策)
・ISOは上限6,400のオート(最近の一眼なら12,800で可かも)
・フラッシュなし!
・記録モードは絶対にRAW

RAWで撮っておけば、その場では少々暗く撮れてしまっても、まず何とかなります。現像(つまりJPEG化)の手間はかかりますが、そこをどう考えるかですね。面倒ならJPEG撮影…ですが体育館での運動会のような難しいシチュエーションだとやはり保険の意味ででもRAWで撮影しておくべきでしょうね。

集合写真の場合


集合写真もだいぶ撮り慣れてきました(^_^;)。絞りを絞ることが一番大事です。うっかり開放で撮ってしまうと後ろの列の人がボケちゃいますからね。フラッシュ使うとどうしても前列と後方とで顔の明るさが変わってきてしまいますが、失敗を防ぐという意味ではフラッシュ使うほうが無難です。真面目に撮るときは、フラッシュありとなしの両方で撮影しておくべきでしょう。

僕はf9.0まで絞ります。子供相手なのでシャッタースピードは1/200に(大人だけなら皆さんしっかり止まってくれるので1/60で可)。明るさは露出をずらして数種類撮影しておきましょう。

あと集合写真の場合、枠に余裕を持たせて撮っておくことも重要。絶対に両端の人たちが切れないように。L版サイズでプリントされても切れないように意識しておくことが必要です。たまに両端をギリギリにおさめてしまって、L版プリントみたら切れちゃってた!テヘ、みたいなミスをしがちなので…。てかL版プリントはホントやめてほしい。KGサイズ(HVサイズ)で固定にしましょうよ、これからの時代!

撮影以外のテクニック?


運動会の開始前、僕は観覧席をまわって「すみません今日もカメラマンをやらせていただきます。たまに邪魔になっちゃうかもしれませんが、なるべくすぐ退きますのでご容赦ください。本日はどうぞよろしくお願いいたします!」と全員に声をかけます。同時に観覧席を写真に撮っていきます。とにかく笑顔が大事です。たぶん。

大体の保護者さんからは「頑張って」と応援してくださってる心持ちを感じます。もともと環境の良い素晴らしい保育園なんです(^_^;)。本当に良かった…。

あと子供を撮影する際も、とにかく笑顔です。余裕があれば積極的に拍手もします。保育園児くらいだとみんな屈託なく素直にこっち向いてくれる子が多いので助かります。

運動会みたいなイベントだと事前に演目を教えてもらうことも大事。今回も事前に平日夜30分くらい使って説明を受けました。一番大事なのは演目の所要時間。1歳児や2歳児クラスのダンスなんかだと1演目2分くらいしかないことがあります。なるべく全員を撮ってあげたいのですが所要時間を知らないと「あれ!終わっちゃった(まだ全員撮ってないのに)」てなことになりがちです。

当日は先生方も手分けして写真を撮ってくださっているので(普通のコンパクトデジタルカメラだと結構厳しいんじゃないかと心配しつつ…)、そちらとの役割分担も大事。なるべくそちらを邪魔しないように。僕はあくまでサブだとの意識です。ホントは逆の方が良い結果になるんですけどね(^_^;;)。

あとは当然ですがなるべく低い姿勢で撮ることです。保護者の方の邪魔にならないことに加え、園児と目線を合わせたほうが良い写真が撮れやすいから。ヒザをついて撮影した方が手ブレも防げますし。最近はこんなヒザガードを付けて撮影していますが、これがあればヒザが痛くなりません!しゃがんで仕事することが多い人には超おすすめです。

以上が、撮影時の話。

次回は撮影後の話を是非聞いてください(^_^;)。ではまた!

書きました→カモノハシ通信3: 保育園の運動会を撮影(2) 写真編集編

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