ショパンのピアノ協奏曲1番聴き比べ

クリスティアン・ツィメルマンさんがピアノ&弾き振りをしているショパン・ピアノ協奏曲1番のCDを購入しました。

クリスティアン・ツィメルマンさんはかつてショパン国際コンクールで優勝したこともあるポーランド人ピアニスト。むちゃくちゃ美しい音のピアノを弾く人で、世界をまわる演奏旅行の際は自分専用のピアノを都度分解して持って行くほどのこだわりを持っているらしい。ちなみに日本語表記だとツィマーマンと書かれているケースもあります。

ラフマニノフの演奏が絶品


僕は以前からツィメルマンさんのラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番の演奏が超絶大好きで、もう何度聞いたことかわかりません。小澤征爾さん指揮ボストン・フィルとの録音のやつですが、とにかくピアノが美しい。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番のCDは他にもたくさん持っているのですが、もう圧倒的。この曲ならではの、オーケストラに埋もれてしまいがちなピアノの伴奏的な部分も、とてもシャープにくっきりと確実に良い音のピアノを聞かせてくれます。もう他の人の演奏には戻れないぐらいです。


ハーマイオニーさんももちろん大好きで、車の中でこのCDについて語り合っていたときに僕が「この人のショパンのコンチェルトもすごくいいらしいよ。なんでも自分好みのオーケストラまで編成してこだわりぬいて作ったらしいから」と言うと「うむ、では買ってよし」とめでたく許可が下りたので、今回購入することができました。プレゼン能力が問われます(^_^;)

そうなんです、このツィメルマンさんのショパン・ピアノ協奏曲(1番&2番)は、オーケストラを自分で編成し(ポーランド中の優秀な奏者を集めた)、自分で指揮をし、1ヶ月間オケとともにみっちり練習して(プロでこういうことは珍しいらしい)ついに出来上がった作品なのです。

良くないわけない!

じゃないですか。いやー実際良かったですよ!

とにかくロマンティック


ここは是非、麻生副総理なみの発音でゥロメァーンヌティックと発音していただきたいところ(^_^)。もうなんて感情的な演奏か!

もともとショパンのピアノ協奏曲は「青春の旅立ち」的な、叙情的な作品なわけですが、(詳しい説明はWikipediaで→ピアノ協奏曲第1番 (ショパン) - Wikipedia)それがもうベタな映画音楽以上に感動的に仕立てられています。

じっくりゆっくり、ぬわーーっと粘着質に攻めてくる第1楽章は、他の奏者の演奏とはもう全っぜん異質のものです。やりすぎかってくらい。

オーケストラも積み重ねられた練習の成果で、ツィメルマンさんがやりたい表現をカンペキに理解しているからか奇跡的なまでの意識の統一感。一人一人がみな全身全霊で「ロマンティックに弾いてやろう」って思っている様子が音から伝わってきます。

しかもポーランド人だからショパンを弾くのにも説得力が違う。(ショパンはポーランド人)。

いやー買って良かったですよ。間違いなく。これが世界一の演奏だという人の気持ちはよくわかります。ショパンのピアノ協奏曲を語るなら、絶対に聞き込んでおかなければいけない1枚でしょう。

でも僕は


でも僕はこの曲に関しては辻井伸行君の演奏の方が好きです。思い入れプラシーボ効果が働いているのは否定しませんが…。

このCDこそ、この3年間で僕が最も数多く再生したCDに間違いありません。(いっときはずーっと車の中で流れていた。)少しでも興味あるなら是非買って聞いてみて下さい。CDの帯に「感動の」とか付いてると逆に冷めちゃうような僕みたいな人でも絶対に後悔はしませんよ。同じようなタイトルの別のCDもあるので間違えないようご注意。(そちらもいすごく素晴らしいですけど(^_^))。ショパンのピアノ協奏曲1番が入ってる方ですよ。

優勝したヴァン・クライバーン・コンクールの際のライブ録音なのですが、良い意味で気合いの入った会心の演奏なのではないかと思います。細かいミスもありますが、それよりも全体を通しての勢いや「若さ」みたいなものが聞く人に自然な興奮と感動をもたらします。

実は僕、辻井伸行君が演奏するショパン・ピアノ協奏曲1番を2回、生で聴いてるんですよ。最初はレオシュ・スワロフスキーさん指揮のスロバキア・フィルとの演奏。2回目はわれらがインバル都響との演奏。その2回ともがもう至高のひとときだったわけで、そりゃ贔屓目にもなりますよ(^_^)。

願わくば是非この曲のCDを作って欲しい!ちゃんとしたやつを!

とはいえツィメルマンのCDも無茶苦茶いいんですよね。今まさに聞いてるんですけど。

好きな曲を、素晴らしい演奏で。それがなによりです。ではまた!


1 件のコメント :

  1. こんにちは。 アメリカから~ 私は辻井伸行くんのファンです。
    Please forgive me for not being able to write in Japanese.

    I think the Chopin Piano Concerto No. 1 of Tsujii-kun is among the best. I believe his superb performance of it at the Cliburn Competition is why he won. I have not heard the other recordings that you mentioned, but I believe what you wrote.

    I heard on Japan radio that Tsujii-kun was given a copy of Zimerman's album by his mentor Yutaka Sado, and it is one of the performances that Tsujii-kun most admires.

    That said, Mr. Zimerman is a far more edgy person than Mr. Tsujii. Tsujii-kun has a likable personality that is part of his charm.

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