ちょっとしたウイスキー・ブームです。僕の中で。世の中的にもそうみたいですが。

もともと僕はお酒に強いわけではなく、お酒に詳しいわけでもなく、さらに現在は服薬の関係上あんまり飲んではいけない、そんな立ち位置であります。

ねおウイスキー

しかし知的好奇心というものがあります。

いい年にもなって、例えば「スコッチ・ウイスキー」ってどんな味でどういう銘柄があるのか、とか、「ブランデー」ってそもそも何?とか、「シングル・モルト」っておいしいの?とか、そういうことを知らないのも何か味気ないなと。思うわけです、はい。

で、たまたまたブランデーを飲む機会があったのですが、これがまたおいしい。サントリーのV.S.O.P.って書いてあるやつでした。ブランデーってウイスキーの一種みたいに思っていたのですが正確にはちょっと違っていて、ウイスキーが麦を発酵・蒸留するのに対し、ブランデーは果物(主にぶどう)を発酵・蒸留するんだそうです。同じ蒸留酒なので味は似てますが。

とりあえず安いウイスキーから飲んでみようと思い、まずは「トリス・ウイスキー」の小さめ瓶を購入。ロック、水割りで飲みましたが、サントリーのブランデーに比べると味わえる味がなく、ただアルコールの刺激とウイスキーっぽい香りがあるだけのように感じました。

以前、独身寮時代にサントリー・ウイスキー「繕」を少しだけ愛飲していたことがあるのですが、繕の方が全然美味しいです。

そしたら今度はちょうど村上春樹の1Q84に「カティ・サーク」が出てきたものだから、それを試してみることに。「カティ・サーク」は安いスコッチ・ウイスキーの代名詞みたいなもんらしい。スコッチ・ウイスキーにおける「角瓶」みたいなもの?ラベルに帆船(それこそがカティ・サーク)の絵が描いてあって、なんか外国っぽくてカッコいい。

スコッチ・ウイスキーと言っても結局ウイスキーなので、どこがどう「スコッチ」なのかはイマイチ分からない僕です。もしかしたら「こういう香りがまさにスコッチ」ってのがあるのかも知れませんが…。

それどころか次に買ってきたサントリー「角瓶」とストレートで飲み比べてみても、ほとんど違いがわからない始末。うーん、ウイスキーに慣れていないとは言え違いが分からないとは我ながら情けない。「違いの分かる男」ではなかったということか…。

ところがそれぞれをお水で1:1ぐらいに割って飲むと、それぞれのキャラクターが明確に判別できるようになりました。「カティ・サーク」は空気の下の方の層で怪しく動き回る黒い煙のような感じ。音符で言うとちょうど「ド」。低い方の。で、ド→ミ♭→ソの和音(Cm)を3連符で延々と繰り返すようなイメージ。いずれにしてもマイナーです。

対して「角瓶」は明るくキレイなイメージ。音符で言うと「ソ」。「ソ」を単音でタタタタタ~ンと元気に打ち鳴らすような感じでしょうか。ト長調をバイオリンで弾くのもいいな。

「角瓶」と言えば、炭酸水で割って「ハイボール」にしよう!ってのが結構盛り上がってますが(近所のマイカルの酒屋では炭酸水とセットで大々的に売り出してる)、僕もやってみました。結論的にハマってます。「ハイボール」おいしい。

ここでもやはり「角瓶」で作るハイボールと、「カティサーク」で作るハイボールでは全然味が違います。炭酸のシュワーっとした感じにマッチするのは、なんと言っても「角瓶」です。て言うか角瓶のハイボールはすごくおいしいです!氷をたくさん入れて、ウイスキーと炭酸水を1:1で割って飲みます。飲みやすいから気をつけないとすぐにメロメロに酔っぱらってしまいますよ。(お店とかだと1:4~1:3ぐらいで作られるから、やっぱり家で飲むに限りますね。)

ハイボールの良いところは、あくまでウイスキーの味を味わうための一手段であるということですね。あまたのカクテルみたく「別のもの」を作り出そうとしているのではなく、純粋にウイスキーの良さを引き出しています。と、僕は感じます。

そんなわけでハイボールが美味しい「角瓶」は素晴らしい。売れ続ける理由が分かりました。

さらにはシングル・モルトの入門編として(と自分で勝手に思ってるだけなんですが)、ニッカの「余市」というのを買ってみました。

まずはストレートで飲み比べ。「カティ・サーク」は無くなったので、「角瓶」との比較ですが、やっぱりイマイチ判別がつきません。若干「余市」の方が落ち着いた風味です。

そこでまたお水で割ってみることにしました。お水で割ると味って判別しやすくなりますね、何でも。何故でしょう?で、やはり「余市」はしっとり落ち着いた大人の味です。

「カティ・サーク」や「角瓶」はいろんな樽・蒸留所で精製された様々な味のウイスキーをブレンドして作られた、ブレンデッド・ウイスキーです。対して「余市」は北海道の余市で作られた1品種のウイスキーだけ使うので「シングル・モルト」となります。基本的にシングル・モルトの方が若干お値段高めです。この数年はシングル・モルトがブームらしいのですが、それは単に安いウイスキーが庶民に人気が無くなっていたため、富裕層が好んで飲むシングル・モルトが比較的たくさん売れていたと言うことではないでしょか?

「余市」はシングル・モルトの中では比較的安い部類のウイスキーです。正直、僕の感覚では「やっぱりこれでないと」とまで思わせてくれるほどではありませんでした。「これなら角瓶の方がいいや」ってのが正直なところか。純粋に味の好みによるでしょうが。

「余市」の味は音符で言うと「シ」ですね、低い方の。和音で言うとBm。ズーン、ズーンと静かに響きます。

ウイスキー、ブランデーについてあまり深く追求するつもりはありませんが、一応これで自分の中の「評価軸」みたいなものが(とりあえず)できあがったように感じます。それができあがった上で良いウイスキーとの出会いがあると、きっと幸せです。「山崎12年」とかね。いっかい飲んで見たい。

余市が無くなったら今度は日本酒に戻ろうかな。近所の酒屋に比較的製造日のあたらしい「天狗舞」があったんですよね、山廃仕込みの。小さいヤツならそれほど高くないからこれは飲んでみないと、と思っている今日この頃です。

※繰り返しご注意※

僕はお酒に強いわけでも、ましてや毎晩ガブガブ飲んだりしてるわけではありません。現在病気治療中につき服薬をしている関係で、それに影響のない時間・量を選んで、あくまでたしなむ程度に飲んでいます。

ですので、僕は酒飲みではありません(笑)!そこだけはよろしくお願いします(笑)。


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