小泉さんのブラームス

サントリーホール行ってきました。今日は大阪センチュリー交響楽団の東京公演、指揮は小泉和裕さんでした。

小泉和裕さんの指揮は1月10日の都響公演に続き2回目。都響公演のときはブラームスの二重協奏曲との出会いなど、大変素晴らしい時間を過ごすことができました。今回はどうだったでしょうか?期待大。

大阪センチュリー交響楽団東京特別演奏会<プログラム>

ベートーヴェン:ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 

ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68

��アンコール)シューベルト:劇音楽『ロザムンデ』間奏曲


すっヴァらしい!ぶらヴぉー!大変良かったです。指揮の小泉さん、本当に良いです。抑制の効いた情感豊かな演奏。最後の最後は抑制を外してどーん!感動しました。

小泉和裕さんは小澤征爾さんに勝るとも劣らない世界的な経歴をお持ちです。小澤征爾さんがアメリカ大陸でキャリアを築いたのに対し、小泉さんはヨーロッパで認められキャリアをスタートさせました。1973年のカラヤン指揮者コンクールにてカラヤンさんに見出され見事1位を獲得。(ちなみに小澤さんもキャリアの最初の方でカラヤンさんに見出され師事します。)そこからはベルリン・フィルでベルリン・デビュー、そしてフランス国立放送交響楽団ではルービンシュタインさん、ロストロポーヴィチさんらと共演するなど、長い間世界で活躍されてました。近年は大阪センチュリー交響楽団の首席指揮者や仙台フィルの首席指揮者、そして都響の首席客演指揮者を勤めるなど日本でも精力的に活躍されてます。

ところで経歴にわざわざルービンシュタインさんやロストロポービッチさんを登場させる所を見ても、この人は協奏曲が好きなのかも知れませんね。実際、この人が指揮する協奏曲を3曲聞きましたが、そのどれもが僕にとって素晴らしく、新しい音楽の世界を開いてくれました。

さて演目ですが、まずはベートーベンさんの三重協奏曲。ネットで調べるとベートーベンがパトロンのルドルフ大公にピアノ演奏させるための三重協奏曲、だからピアノの難易度はちょっと低め、ってよく紹介されてます。ところが今日のプログラムを見ると「それはどうやら違ったらしい」と書いてありました。根拠・出典がないのが残念ですが、音楽学者の小味渕彦之(コミブチヒロユキさん、なんと関学大文学部美学科院卒)によるとそうらしいです。

これはCD持ってるので良く知ってる曲でしたが、やっぱり生は良い。ホントに生はいい。巨匠の演奏するCDより、普通のプロオケが演奏する生の方が100倍いい。ですよね。特にバイオリンのソリスト(そしてコンサート・マスターの)川﨑洋介さんの演奏が震えるくらい良かったです。

そしてブラームス!交響曲第1番。のだめでもお馴染み。これがスバラしすぎました。ブラームスさんが20年かけて、万感の思いをこめて書き上げた最初の交響曲。そこにこめられた魂、のようなものが伝わる演奏でした。ズドーン!ズドーン!と「オレもうダメ」的ドン底テイスト満開で始まる第1楽章から、ほとんど協奏曲みたいにバイオリン、オーボエ、クラリネットが美しく語りかけてくる第2楽章、そしてかすかな光が見え隠れする温かな第3楽章。そしてそして救いのコラール第4楽章!のだめの千秋君の言葉を借りると「さぁ歌おう!絶望から歓喜へ!」!圧巻です。

うつ病の人、特にうつ病治りかけみたいな人には是非聞かせたい傑作です。

やっぱりCDで聞いてわかったつもりになっていても、生で聞くと違いますね。今回は第2楽章の美しさを特に感じました。こういうのも音楽との新しい出会いの一種です。コンサートはそういうのが良い。出会いのないコンサートもたまにあるけどね。

いやーよかった。小泉さん指揮の演奏会にはまた行きたいです。豊かな人生って何だろう…orz。


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