「アヒルと鴨のコインロッカー」感想

あひるかも.jpg久しぶりに"いい"映画を観ました。「アヒルと鴨のコインロッカー」。自信を持ってお勧めします。

この映画、実はタイトルにひかれて見に行きました。事前にネットのHPを見たりはしていたのですが、今ひとつ意味がよくわからない。けどなんだか良さそう…、僕の読みは大当たりでした。

映画のあらすじが話せない。この映画は絶対に原作小説よりも先に見るべき映画です。話せないけど、"いい"です、この話。とりあえずこのHPにある予告編動画とか見てみてください。

http://www.ahiru-kamo.jp/

主人公は仙台の大学に通うために東京から出てきて一人暮らしを始める青年。濱田岳が演じます。プロポーズ大作戦にも出てた背の小さな人です。そして彼のアパートの隣人が瑛太。のだめカンタービレでバイオリンやってた人ですね。この2人と謎のブータン人、そしてその彼女(関めぐみ)が織り成す切ないストーリー。

瑛太演じる隣人が主人公を「本屋襲撃」に誘います。本屋を襲って「広辞苑」を奪うんだ、と。「誰かが来るのを待ってたんだ。ディラン(ボブ・ディランのこと)を歌う男だとは思わなかった」「一緒に本屋を襲わないか」と。もちろん主人公は訳が分かりません。でもなぜか巻き込まれていく主人公。そして明らかになっていく真実。本屋襲撃はこのドラマのほんの一部でしかありません。

キャッチコピーは「人生を変えるほどの切なさが、ここにある」。
見終ってみて納得です。。(・_・、)


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最近のカッコつけた、思わせぶりな作り物くさい感動ドラマよりも、よっぽど心に響きますよ、この映画。序盤に主人公が、道で困っている外国人女性を見てみぬ振りして後悔するシーンがあるんですが、これがあんな風な意味を持っていたなんて。

この映画の最も素晴らしい点は、スミズミまできっちり作りこんであることです。画像的にもストーリー的にも。終盤、映画がどんどんクッキリとシャープになっていきます。見る人がきっちり納得できる。納得できるから、切なさがよりハッキリと伝わってくる。そしてその切なさが、映画館という親密な空気にとてもよくマッチしています。名作だと、僕は思います。

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実はこの映画、僕2回見たんですよね。ただし1回目は1時間たったところで体調を崩し途中退場(映画のせいではなくて単純にお腹いたくなった)。映画で途中退場したのは人生で始めてのことでした。ラッキーだったのはこの映画「2回目は1000円」というキャンペーンをやっていたということ。だから今日、1000円払って見直してきました。

本当は今日、この映画を見た後、連続で「レミーのおいしいレストラン」を見るつもりでした。が、せっかくのこの余韻を壊したくなくなったのでやめておきました。

いやー久しぶりに"いい"映画をみたなぁ。これ、うちの高等部とかで上映したらいいのに。たぶん見る前はみんな「なんやそれ、知らんしおもんなさそー」と文句を言いそうなのですが、見終わった後は「…意外と良かったやん」とささやきあってる様が目に浮かびます(?)。

と、いうわけで星4つ★★★★です。ベスト10には残念ながら入らないかな、いや、入るかな…。この後じっくり考えてみます。


2 件のコメント :

  1. 良かったですねー。
    今度はちゃんと見ることが出来て。
    しかも、星4つ!
    うーん、ピアノの森とは大違い(笑)
    あと、野球、残念でしたね。
    でも、そういう楽しみがあるのは羨ましいです。
    なんせ、女子高出身なので。。
    野球とサッカーのあるシーズンは、某強豪校に入れば良かったと、つくづく思います。

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  2. ピアノの森も僕は好きなんだけど「人にお勧めできるか」という観点だと星2つ半になっちゃいました。
    バイオリン練習しようかな。

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