働きたくない、という気持ちはわからなくはありません。というかとてもよくわかります。ただもし自分が働いていなかったらすごく不安だろうな。テレビの中のNEETの28歳男は「不安はない。親が死んだら働く」と言っていましたが、たぶん、不安がないなんてことないんじゃないでしょうか。NEETの彼であっても。
��EETの人たちを見ていると、みんな人とコミュニケーションするのが苦手で、いつでも自信のなさそうな顔をしています。そして気になるのは、みんな顔がブサイクだということです。もともとブサイクだったのか、結果的にブサイクになったのか。
僕は思うのですが、きっと「もともとブサイク」だったんです。そのことについて本人に非はありません。あるわけがない。非があるのは、ブサイクを受け入れない社会の側にあります。
僕の言いたいことはこういうことです。
凝り固まった一律的な価値観だけを正しいと決め付けて、それに合致しない人、合致できない人を異端として扱ってきた社会に大きな問題がある。
どういうことかというと、人間の誰もがみんな社交的で、明るくて、気さくなやつじゃなくてもいいじゃないか!ということです。なのにこれまでの(今でもだな)社会や学校は「社交的=正」とし、そうでない人を「矯正」しようとしてきました。「それではダメだよ。もっと明るくならないと」。例えばそういうことです。
言うまでもなく人の性格なんて百人百色です。本来社交的でない性格の人は、そういう社会のありかたからプレッシャーを受け、無理に明るく振舞おうとします。でも大半はうまくいかない。それどころか「ヘンなやつ」だと思われる。結果、自信をなくし「自分はダメだ」と思い込む。そう思わせているのは今の社会の価値観です。
逆に根っからのバカな子は、本来の性格にマッチしていない立ち振る舞いが「イケてる」と勘違いすることができて、それはそれで幸せそうです。一時日本人の多くが髪の毛の色を変えていたのはまさにそうですよね。
僕はコーチ時代によく話をしたのが「5本の指」の話です。僕が中学時代の先生に聞いた話ですが、とても印象的だったので、ことあるごとに自分も使わせてもらいました。カモノハシ通信にも何度か書いたことがあります。
簡単に言うと社会も手の指も、いろんなキャラクターがいてはじめて成り立っているんだということです。手の指というのは全部が全部親指だったり、人差し指だったりしたら使い物になりません。もっとも使いやすい機能的な形状として5本の指が与えられているわけです。親指みたいなやつもいれば、薬指みたいな目立たないやつもいる。けどみんなに役割があり、必要とされている。
僕は中学時代この話を聞いた時に「じゃあオレは何指なんだ」と思いましたが、その答えはいまだにわかりません(笑)。時々は親指的かなと思うし、いやいや中指かなとも思うし。主役ではないから人差し指ではないな、むしろマイナー路線の薬指かな、とか。まぁそれはどうでもいいのですが。
だけど今のテレビや教育やらを眺めていると、特に若者向けだと「ノリ」のいい人ばかりが良い扱いをされ、その「ノリ」にのれない人はものすごく格好悪く描かれています。きわめてバカらしいです。いいんですけどね、「ノリ」のいい人は勝手にノリノリで楽しんでくれれば。でもそんなのに興味がない人もいれば、そういうのは苦手だけど他にすごく能力を持っている人とか、たくさんいるわけです。「ノリ」がいいだけで、そうじゃない人をバカにしたような態度や言動をしている輩は救いがたいですよね。でもそれが今の社会のメインストリームです。
正直に言って、僕だって「ノリ」が良い人に対しては憧れがあります。ああいう風に場を盛り上げられたらなぁ、とか上手に人を笑わせられたらなぁとかって。下らないと思いつつも、心の片隅ではそういう思いがあります。そういう憧れを抱かせている社会やテレビやらが、一番のガンなのだと僕は思います。
��EETの人たちは「ああなりたいな、でも自分ではなれない=ダメダメだ」という意識があるのではないでしょうか。ダメダメじゃないだよ、と。根暗でも、人付き合いがヘタでも、なんとかなるんだって。
なんとかなるような「正常な」社会に戻さないとだめだと思います。
とは言え、今現在30前後でNEETのヤツらはそれはそれで救いようがないですね。
すごいね。その意見、ほんと当たってると思う。
返信削除この間、超バカの壁(だったかな?)をチラッと立ち読みしたら、ニートのことが書いてあって結構面白かったような。
暇だったら立ち読みしてみてw
NEETかぁ…仕事に対して不満がある私は辞めたい気持ちでいっぱいだけど、辞めたらどうする?なにする?やっていけるの?
返信削除…と不安が残っちゃってなれないなぁ…
五本の指の話はなんか納得しちゃいますねぇ(。-_-。)
ご意見ありがとうございます。
返信削除いろいろ思うところがあって書いてみたので、感想いただけて嬉しいです。
まずは「バカの壁」から読んでみます。